2007 年 01 月 30 日 : バベルの塔でない共通の言語
創業した当初は、スタッフの国籍は全員日本であった。
いまやスタッフの半分は海外の国籍を有する。特に研究開発部に至っては 8 割が海外の人材であり、寧ろ日本人は少数派の部類に相当するようになった。
世界で通用するハイクオリティなソフトウェアをアウトプットする。ただその一点の目標を達成するために行動した結果、自然とそうなったのである。
ゆとり教育が影響しているのか、あるいは日本の中学や高校では、プログラミングについての教育が等閑になっているのか原因は定かでない。
確かに言えるのは、超一流のソフトウェアを世に送り出せる人材は国内だけでは得がたくなったということである。
逆転の発想をするならば、世界から人材を募ればそんな想いの達成される確率はアップするのだろう。
スタッフが操れる言葉は人それぞれ、日本語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、ルーマニア語、ヒンディー語などさまざまである。
オフィスやメールでは多様な言語でコミュニケーションが交わされる。
研究開発部は、大半が国籍が違う者同士でのコミュニケーションなだけに、苦労が偲ばれていたが、意外にもコミュニケーションはうまくいっているようである。
何故なんだろうと思って気付いたのは、唯一お互いに理解し合えている言葉の存在であった。
それは 「C++」 というプログラミング言語である。
「C++」 というプログラミング言語によって記されたコンテンツは理解し得るものであるらしい。
超一流のソフトウェア製品とは、世界中の人々に利用されることを着地点に置いている製品であって、そのために日々ソフトウェアの研究開発に明け暮れている。
それが目指すのは、携帯電話のような情報端末向けのソフトウェアを C++ 言語で表現できるようにする辺りにあることが興味深くもある。
2007 年 01 月 24 日 : Google 時代の企業戦略
この日曜日、『“グーグル革命”の衝撃』という NHK の番組を観ていた。
"Google" について NHK が番組を放映するということは、これからの時代の変革を意味するものと個人的に捉えた。
番組では、SEO (検索エンジン最適化) が大きなテーマとして取り上げられていた。
それによると、ビジネスで重要なキーワードで 15 位以内になければ、インターネットの世界では存在しないに等しいとのこと。できれば 5 位以内に位置することが肝要と専門家が発言していた。
会社員として働いていた時は、いわゆる営業活動でお客様を訪問することも多かった。
けれども、会社を創業してから営業活動をしなくなって何年になるだろうか。
それはある意味で、オンラインゲームをしている感覚に等しいかもしれない。
インターネットの時代へとシフトすると共に、グーグル革命の番組のとおり、世界レベルでの圧倒的なポジションを獲得できることが、生き残りの最大条件であるような気がする。
ソフトウェアのような情報産業では、情報というものはネット上を高速で世界中を縦横無尽に駆け巡るので、検索エンジンで 1 の位置にあることが重要である。
SEO はテクニックによって誰にでも再現できるものである。
それ故に言えるのは、SEO だけで築いた検索エンジンにおける位置は脆いだろう。本業とは無縁の競争相手との不毛な SEO 対策に明け暮れることになりかねない。
そこで問題意識を持つべきなのは、どうすれば自然に検索エンジンにおける 1 の位置に付けるかということではないだろうか。
弊社では、BREW アプリを C++ というプログラミング言語で開発するためのプラットフォームと、携帯 Java アプリを圧縮するツールを開発している。
「BREW」と「C++」、或いは「携帯 Java」と「圧縮」というキーワードを入力すれば、最初に表示されるのは弊社のサイトである。更にほかのページも多くは弊社の製品を紹介するものである。
SEO 対策の業者に依頼したのではないけれど常にその位置にある。
それは、単に弊社と同じようなビジネスを展開している会社が存在しないだけだからである。
成し遂げるために必要なのは、事業にすべてを賭ける決断力かもしれない。
2007 年 01 月 18 日 : ソフトウェアという名の商品
ソフトウェアは、質量も重量もゼロ。
カタチすら無い。
高度情報化社会ではこんな商品が多い。
どうすれば、はっきりと実体が見えないモノの価値を的確にプレゼンテーションできるのだろう?
世の中には、オークションで高値で売買される名画のように、如何様にでも高く値付けされるものもある。
逆も然り。むしろブロードバンドネットの普及によって情報は氾濫し、その価値はいっそう逓減するようだ。
情報は、一生を費やしても遥かに接しきれないほどネットの向こう側にある。
そんな状況だから、ソフトウェアをネットだけで販売する難しさを痛感する。同時に、これほどまでに遣り甲斐のある仕事も少ないのではないかと思っている。
創ったソフトウェアが売れなければ、事業の継続は叶わない。
何故、お客様は僕たちのソフトウェアを購入されたのか。そしてその理由はずっと変わらないものなのか。変革が現れるとすると何を契機にしてそれは発生しうるのか。
シミュレーションしてアクションし、フィードバックから更なるシミュレーション …。
サイクルを何度も何度も繰り返す。
カタチの見えぬソフトウェア事業はそんな風にして進化発展を遂げるのかもしれない。
2007 年 01 月 17 日 : Global recruiting
大企業の採用枠拡大、若者の安定志向や少子化でベンチャー企業では有能な人材の採用が難しくなってきているという。
オリジナルブランドのソフトウェアを製造し販売する業態だからなのかもしれないが、疑問に感じることが一つある。
それは、ベンチャー企業の仕事というのは、大企業と比べて難易度が高いのではないかということだ。あるいは、異なる能力が要求されるのかもしれない。
普通に考えても、大企業で通用しない人材はベンチャー企業でも大苦戦するだろうし、寧ろベンチャー企業は、大企業で働く社員を遥かに凌駕する人材にジョインしてもらうことが何よりも重要だと考える。
勿論そんな人材は稀有な存在であり、自然と少数で会社を運営せざるを得ない。
しかし、人材を募集をするエリアを、日本に限らず世界全体に拡大すれば、何倍もの確率で素晴らしい才能に巡り会える。
2007年のテーマは、"Globalization"。
海外にマーケティングするだけでなく、人材も広く海外から募りたい。
2007 年 01 月 17 日 : 量りしれない価値
モノやサービスを創って販売する、というのがベンチャービジネスの基本だと思うのだけど、この基本を学べる場は意外と少ない。
あるいは、このことをあまり重要と思わないだけかもしれない。
ベンチャーのモノやサービスには、独自性というものが要求される。
そういう創造力を養う教育はどれくらいなされているのだろう。
販売というものは商学部で学べるのだろうか。
自らモノ、サービスを創って販売した経験のある教授はどれくらいいらっしゃるのだろう。
社会にひとりで放り出された場合、モノやサービスを創って販売するというスキルが真っ先に要求される。
生まれながらにして才能に恵まれている人も確かにいるけれど、経験によって学ぶことも可能であり、そういうスキルは人生を切り拓くための大きな推進力になると思う。
ある意味では、学位こそ授与されないものの、その価値は大学で学ぶ専門知識以上に有益に思えることもあるかもしれない。
その価値は何かと問われれば、誰の思惑によらないで、100 % 自分の思うままに未来へ前進できることと言えるだろう。
ベンチャーで働く最大のメリットである。
2007 年 01 月 11 日 : インターネット・コミュニケーション
京都のビジネス街と言えば、四条烏丸あたりだろうか。
ここから 3 キロしか離れていないのだが、河原町界隈には食事のためによく出掛けるけれどビジネスで立ち寄ることは滅多にない。
でもビジネスでは北米、南米、中国、ヨーロッパ、インドなど世界中のお客様とのコミュニケーションは、日を追うごとに加速感がある。
なんとなくパラドックスのような気がしなくもない。けれども想像も及ばない新しい世界がそこにある、と確信している。
いまや半分くらいは海外の国籍を有するスタッフで構成されるようになってきた。
2〜3年後には、大半のスタッフは日本人以外であるような、インターナショナルな企業になるんじゃないかと予測している。
さまざまな人たちとアイデアをスパイラルさせて、かつて誰も見ることが無かった夢のある未来を創るのが目標でもある。