2006 年 03 月 28 日 : 時は流れて
質量をもつ物質を、細胞→分子→原子→ … と分解してゆくと、確かな存在は確認されていないのだけれど、6 つのクオークと 6 つのレプトンと言われる素粒子に辿り着くらしい。
この世界に存在する、数え切れぬほどのさまざまな物質とは対照的に、極めて限定され共通する基本要素から宇宙は構成されているということである。
もし仮に全ての物質に宇宙を形作っている 6 つのクオークと 6 つのレプトンが備わっているとするのならば、ひょっとすると僕たちは何にでもなれる可能性を秘めているのかもしれない。
何が自分を自分たらしめているのかという考察も面白い。
僕のアタマの中に描かれるイメージというのは、宇宙が時空であるとするなら、たまたまそんな場に置かれたから自分というものが存在するという考え方である。
すなわち、周囲の環境が僕そのものを創っているのではないかという仮説である。
それ故に、人にとっては環境というものが全てのようにも思えてくるのだ。
とりわけ興味深いのは、人には意志というものがあり、どういった環境に自分の身をさらすのかを選択できる点である。
ベンチャーを起業すれば、大きな組織では想像することさえ叶わない自由を手に入れることができる。
あらゆる人生における岐路を他者に頼らずに自らの意志で決断し選択し行動するのが起業家の宿命であり、唯一最大のメリットであると僕は信じている。
宇宙における物質の原理から発想すれば、環境によって僕たちは何にでも変われる。
ベンチャーを経営していて常々思うのは、短期的な結論を求めようとする誘惑が余りにも多いという事実である。
宇宙とは永遠の時間軸上に展開される時空であるという認識が大切であると思う。時が流れても、なおも一層何か光る存在であるためのはどのような決断が最適なのかロングレンジに渡って展望せねばならない。
*「往古来今これ宙という、天地四方上下これ宇という」(淮南子)
2006 年 03 月 27 日 : Newtype
『機動戦士ガンダム』が放映されていたのは、1979 年から 1980 年。
かなり昔の出来事だが、今もなおその輝きは色褪せず逆に初めて知る人には新鮮な印象さえ与えるロングセラーになっている。
人をそんな風に『機動戦士ガンダム』に釘付けにさせるものは何なのだろうか?
初めて観てから四半世紀の歳月を経た今も、鮮明に記憶に残っているのは "ニュータイプ(Newtype)" というキーワードである。
『機動戦士ガンダム』では、独自の宇宙全体に及ぶ世界観を"宇宙世紀(Universal Century:U.C.)"という言葉に込めて表現していた。
物語の設定では、人類が"地球"という狭い領域から、"宇宙"という計り知れないほど広大な領域へと生活圏を拡大した時に"変革"が起こるということだった。
古いスタイルから新しいスタイルへと変革した人類のことを指して"ニュータイプ"と定義した。
"ニュータイプ"の特長とは、動物が本来持っている直感(感性)というものに磨きが一層かかり、遥か彼方の遠く離れていても、時空を超えてテレパシーのようなものでお互いに認識し理解しえることである。
「何も言葉を交わさなくても瞬時に理解しあえる」という才能に人々はきっと憧れを感じるんじゃないだろうか。そして、その能力をどうやって身に着けるかということに空想を馳せてみたりする。
インターネットを駆使するビジネスでは、直接会って話をする訳でもないので、果ては地球の裏側にまで遠くにいるお客様の心を"ニュータイプ"の如く理解できる才能というものが今、求められている。
『機動戦士ガンダム』では、"地球"から"宇宙"へと旅立つことで、それまでは眠ったままだった頭脳の一部が活性化されることで、"ニュータイプ"は生まれるということだった。
それは架空の話ではあるけれど、現実の世界では人々の頭脳はほんの数%しか使われていないらしい。残りの 90 %以上の頭脳は眠ったままである。どうやってそれらを覚醒させるかであるが、その決め手は環境であることだけは確かなような気がする。
* 中国の古典「淮南子」(紀元前2世紀)によれば、「往古来今これ宙という、天地四方上下これ宇という」ということである。「宇宙」の「宇」は空間、「宙」は時間を意味し、「宇宙」=「時空」ということになる。
** 「世界」の場合、「世」は過去、現在、未来の「時間」を意味し、「界」は東西南北上下の「空間」を意味する、仏教の言葉であるという。「世界」も「時空」である。
*** 語源を辿れば、「宇宙」や「世界」というものに対する認識も大きく変化するから不思議である。紀元前の時代に、時空という概念が世界に先駆けて東洋の地に既に存在していたことはとても興味深く、僕たち東洋の人たちが大切にすべき思想ではないだろうか。
2006 年 03 月 12 日 : 京都の発想
京都の書店に立ち寄った時、たまたま「京都人の商法」(蒲田春樹著)という本が視界に映った。
〜「伝統」と「革新」を両立させるビジネス感覚に学ぶ〜
という副題が付いていた。
クラシカルなイノベーションを創造したいと思って、京都という地に起業しただけに思わず購入してしまった。
期待以上にいろんな示唆が得られる一冊だった。
「東京は逍遥するには刺激的すぎるでしょう。京都はその点では人を独創的なアイディアに導く散歩道がひじょうに多いのです。人は静かな裏町を歩くことで、自由に己の想念を羽ばたかせることができるのです」
「ひとりになるとは、情報を遮断して、自らを思索の底へと沈み込んでいく作業である。人が真に思索にのめり込もうとしているとき、他者は邪魔な存在となる。情報を交換するということが思索を妨げるからだ。
アインシュタインが相対性理論を発見したとき、彼は三日間、自分の部屋から出てこなかったという。哲学、科学、宗教、芸術、これら知のワークは孤高の産物である。他者対応から独自へ、浅いネットワークからシンク・アローンへ、時代の新しい趨勢は孤高である」
「日本画、それも墨で描いた水墨画には、たとえば、崖とか巌頭に一羽の鳥が止まっている構図とか、枯れ柳に一羽のサギというような構図が多いでしょう。こういった構図に出合ったら、この鳥の目の向いているところを見てください。この鳥の目は画面、いわばキャンバスの範囲の外に向いていることが多いのです」
「・・・、われ、ただ、足るを知るという謙虚なよい言葉が出てきます。足るを知る。不要なものはそぎ落とし、いろんな工夫のなかに大きな世界を創造させる」
「素材をどこまでも少なくして、ついには石と砂だけで創り出す”そぎ落としの美学”が竜安寺の庭園には見てとれる。
・・・
それは多くをあきらめて一つに絞っていくという、デザインにおける”レスの概念”である。エレメントをそぎ落としたときに、人は何によって美を創りだしてゆくか。答えは”人の知恵”である」
自分でも無意識のうちに行動していることが、この書籍には随所に記されていて、なるほどと思うことが多かった。
2006 年 03 月 10 日 : Google、ブラウザでワープロ文書が作成できる「Writely」を買収
以前のブログエントリー「 AJAX と BLOG」にも記したけれど、ワープロ感覚で WYSIWYG なスタイルで BLOG をインプットしたいと思う。
携帯電話向けソフトの世界もそうなんだけれど、「スピード」と「ユーザーインターフェース」がブログ提供会社の未来に影響を及ぼしそうな予感がする。
Google がブラウザでワープロ文書が作成できる「Writely」を買収したという。
WritelyはGoogleのブログサービス「Blogger」やMovableTypeAPIをサポートしているため、ブログエントリーの作成にWritelyを利用できるらしい。
きっと、ここ 1 〜 2 年で、ブログのテクノロジーにも大きな技術革新の波が訪れそうだ。
どんな風に結末を迎えるのか全く予想もつかないけれど「スピード」と「ユーザーインターフェース」がキーファクターになるのではないだろうか。
2006 年 03 月 08 日 : Speed of blog
世の中に出回っている BLOG システム全般に言えるんだろうけれども、特に BLOG 更新が完了するまでに時間がかかり過ぎだと思う。
「登録」とか「編集」のボタンを押して、3 秒以内に処理が終了してくれれば、どれほど嬉しいことだろうか。
それを思うと、Google や Yahoo! などの今もなお使われ続けている検索エンジンのレスポンスは快適だ。概ね 3 秒以内に結果が返って来る。
これらの検索エンジンには世界中で公開されているほとんどの Web サイトのページが登録されている。通常のシステムが扱うデータ量と比べれば、桁違いの多さである。
世界最高水準の検索技術が搭載されているのだろうが、昔を振り返れば、これらの現存するエンジンと比して、パフォーマンスが著しく劣るものも確かにあった。
今では、走らない検索エンジンなんて跡形もなく消え去っている。
検索エンジンは精度が重要であることはいうまでもないが、結果が得られるまでに要する時間、即ちスピードも選ばれるための重要なファクターだ。
今、BLOG は機能やインターフェースが標準化され、コモディティ化される方向にある。
そんな背景にあって、他の BLOG と比較して、同じ値段で 1 ケタ速いものが存在するとすれば、人々はきっとそれを選ぶに違いない。
アルゴリズムやシステム設計、プログラミングテクニック、システム構成やシステム運用 ……… で、ブレークスルーできる余地は充分あると思う。
ソフトウェアテクノロジーの観点から見れば、BLOG はこれからそういった競争原理で動くビジネスになりそうな気がする。
2006 年 03 月 08 日 : Paradise theater
昨日は早朝から今しがたまで多忙な日々だった。
Styx の "Paradise Theater" に収録されている "Half-Penny, Two-Penny"。
大学生の頃、何回聴いたことだろうか。
Rock というジャンルの音楽に関心を持った初めての曲である。
Lyrics にある、
"Half penny, two penny, gold krugerrand
He was exceedingly rich for such a young man
Sad story, old story"
というメッセージがそこはかとなく印象的だ。
今夜は、この曲を聴きながらクールダウン。
フィナーレにかけてのメロディがこれほどまでに切なく美しいアルバムも少ないと思う。
2006 年 03 月 02 日 : Google ローカル
Google ローカルというサービス( β 版 )がある。
地図の範囲を絞りながら、キーワードでその地域の情報が得られる。
"日本"という地域で、弊社 Web サイト「/」が No.1 にランキングされたのは下記のようなキーワードだった。
- 携帯Java
- 携帯BREW
- 携帯ソフト
- C++
- 圧縮ツール
- BREW 開発
- BREW GUI
- BREW C++
- BREW FAQ
- BREW 入門
- BREW 技術
- Java Compress
- BREW Compress
- …
※ Java Compress,BREW C++, BREW GUI, BREW FAQ は、"世界"全体でも 1 位だった。
任意の地域でキーワード検索できる。自社の Web サイトがどのエリアでどんなキーワードで No. 1 にランキングされているのかを知ることで、いろんなマーケティング戦略が策定できるだろう。
登録されているデータがまだ少ないけれども、大きな可能性を感じるサービスだと思う。