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Sophia Cradle IncorporatedPresident Blog : History

2005 年 05 月 27 日 : Design strategy

この忙しさは久々。

人材採用、新人教育、海外取引、コンセプトメイキング……。

とにかく忙しい。特に、人については企業や組織、あらゆるものにとって最も大切な存在であるだけに、すべての精神をその一点に集中せねばならず、少々のことにも体力を消耗してしまう。

いまはそういうフェーズだから仕方がない。逆に言えば、チャンス到来とも謂える。来月中旬には落ち着くだろう。

昨日はデザイナーと"Design Strategy"の方向性を、発案者であるデザイナー、チーフソフトウェアアーキテクト、室長とで確認しあった。

そのキーワードは…

[1] Artistic & Perfect

[2] Simple & Cool

[3] Creative & Original

21世紀は"Design"というものが史上例を見ないほど重要なキーになる時代と予想している。「人の心が豊かになるには?」という問い掛けを発して行動することが何よりも大切になるだろう。理屈や理論だけでは解決できない何かが"Design"にはあると思う。

ソフィア・クレイドルのあらゆるものに一気通貫通して共通する、そんな"Design Concept"が組み込まれることが目標だ。

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2005 年 05 月 25 日 : Designer

製品の完成度が高まると同時に、いよいよ次はデザインやマーケティング、コピーライティングの出番となってくる。

久々に今月はそのためのプロフェッショナルな人材採用のため、多忙を極めていた。弊社へのあまりにたくさんの応募者に驚くと同時に、時間の関係上面談が叶わなかった皆様には大変申し訳ない気持ちで一杯である。

幸いにもプロフェッショナルなデザイナーにジョインしてもらうことができた。取っ掛かりの仕事として、ソフィア・クレイドルの基幹製品の一つでもあるSophiaFrameworkのトップページを飾る画像をデザインしてもらった。(彼はUSの芸術系大学を卒業した後、USのNYを中心に10年間デザイナーやDJとして活躍していたという、異色の経歴を持つ。)

今後、これをより良きものへと進化発展させてゆきたい。

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2005 年 04 月 21 日 : 余談 〜海外進出〜

海外からの問い合わせが引っ切り無しに多い。それも特定の国からだけでなく、世界中のありとあらゆる国からだ。裏を返せば、いま世界の携帯電話事情は次世代へと移り変わる過渡期にあるのだろうか。ベンチャー故、ソフトウェアライセンス契約書やマニュアル類を辞書片手に自ら和文英訳するしかなく滅茶苦茶忙しい。

今年2月に出荷予定だったが、諸般の事情で遅れていた、2種類の海外対応版製品を来月ようやく出荷できる。本格化するのは来年以降と見通している。これからが楽しみだ。

  

2005 年 02 月 15 日 : スタートライン

会社を設立した 3 年前が懐かしい。H 君と Y 君は未経験でいきなり製品の研究開発リーダーとして仕事を始めた。当時まだ 20 歳だった。普通であれば、大学でのんびり遊んだり勉強したりして過ごすだろう。

彼らはその中で仕事をするというシーンも自分の生活に取り入れた。3 年の時を刻んだ。3 年で彼らは技術的にも人間的にも想像以上に大きく成長したように実感する。若ければ若いほど、その成長のスピードというものは速いんだと改めて感じたりする。

大学院への進学率が高まっているから、今ではもっと顕著だと思う。私の頃は、理科系の学生は大学院を卒業してから会社に就職するのが専らのコースだった。浪人や留年をせずにストレートであったとしても 24 歳になってしまっている。ダブル人もかなりいる。だから、平均して 25 歳になってから、社会人となって働き出す。ところが、大企業に就職して先ず発生する問題がある。それは大学院時代の専門と実際の仕事の内容が異なることである。それで、就職して一から勉強しなおすパターンが多い。それだけで、更に 1 〜 2 年も余計に時間が経過することになる。

勉強が順調でも大企業であるほど、先輩に相当する社員がたくさんいる。たとえ実力があったとしても、入社して早々先輩を追い越して仕事をするようなことは滅多にない。IT が発達した昨今では、仕事というものは年齢に関係なく、できる人にはできる時代になった。でも企業の体質が古ければ、若い時期から先輩を飛び越えて活躍の場を与えられるケースは少ない。

先輩を追い越すほどの才能が最初から無ければ何も問題はない。だが、その人に類稀な才能がある場合は不幸なことになりうる。相応しい仕事が与えられなければ、彼は、企業に入った最初の数年間は無意味な時間に思えたりする。その間に多くの真に有能な若手人材が優秀であるほどスポイルされていく運命もよくある話。

ハイテク系の仕事というものは、若い頃にもっともハイパフォーマンスで活躍できるような類のものだ。プロフェッショナルなアスリートやミュージシャンの世界と似ている。しかし、日本の大企業の場合、20 代頃というのは、入社してから専門の勉強をしなおしていたり、先輩の補助的な仕事をやらされるケースが余りにも多い。業務マニュアルに則って仕事をすれば、全体としては回るような仕組みなっている。だが、クリエイティブな人にとってはマイナスの部分が余りにも多い。ことその仕事に関しては平均値よりも遥かに上回るような実力を持っている人にとっては、大企業というのは不幸な結末になる場合が多い。

ベンチャーの場合、そのあたりのことを柔軟にできる点がメリットだ。伸び盛りの 20 歳のころから実践的な仕事ができる。23 歳にして京都府から技術的な貢献が顕著であったということで表彰もされるくらい活躍できる。スマッシュヒットを放つような仕事でなければ、本人もベンチャーも登龍門に立てない。ある意味では真剣勝負だ。しかし、名よりも実を追うベンチャーだからこそ、無意味なことを省いて経営できる。そうすることで、逆説的ではあるが余裕やゆとりを持ちながら、たまには一息つくこともできる。意外にも、それが次のブレークスルーへと繋がってゆく。

これから大企業に入って、勉強しなおし下積み生活をする人たちよりも何年も前から、実社会で役に立てるような仕事で成果をあげれる。それこそがベンチャーの醐醍味でもある。H 君や Y 君などの若きスタッフたちは、これから次の 3 年で技術的にも人間的にも更に成長するだろう。だから、世界的に通用するような技術開発もきっと可能である。いまは次の世界の桧舞台への進出に備えているところだ。これまでは日本国内での活動が中心だった。いよいよ世界へデビューする準備が整いつつある。世界レベルの戦いは熾烈なだけに若さが大きな武器になり得る。

いまの理科系の学生は、どれくらい世界的な視野を持って、生涯に渡る研究職としてのキャリアパスを明確にイメージしているだろうか。何を目的にして大学院に進学し、企業に就職するのだろうか。自分の長期的な人生における夢と希望を考えて、20 代、30 代、40 代、・・・とどのように過ごす結果になるのかを鮮明にイメージしている人は残念ながらとても少ない。そんな背景もあってか、最近の傾向として日本から偉大な技術者が生まれにくいような環境になりつつある。

他の業界でもそうかもしれない。少なくともハイテクに関わるような人の場合、特に 20 代をどのように過ごすかで自分の人生が決定付けられる場合がほとんどだ。拙い経験から言えば、20 歳の頃から実際に働いて、実感できるような具体的な成果を着実に積み重ね、それを本職にするということは大切だ。それは世界レベルで超一流の仕事を成し遂げる上で絶対的に有利であるし、必須条件である。

全ては絶好のスタートラインに立てるか否かにかかっている。

  

2005 年 02 月 02 日 : 世界デビュー 〜 SophiaFramework〜

米国のテクニカルライターから英文のメールが届いていた。それによると、IT 技術者向けの著名なポータルサイト(http://developer.com)でソフィア・クレイドルのソフトウェア( SophiaFramework )を記事として紹介したいとの打診だった。

SophiaFramework は、3 年というベンチャーにしては長い歳月を費やして、米国クアルコム社の次世代携帯電話チップ上で稼動する、汎用的なアプリケーションプラットフォームとして製品化された。

最大の特長は、次世代携帯電話の組み込み系アプリケーション向けに、GUI フレームワークを有する、C++ オブジェクト指向プログラミングの開発環境を世界で初めて提供した点にある。

この技術革新がテクニカルライターの関心を惹いたようだった。

*SophiaFramework 製品マニュアルの英訳を急がないと…。1000 ページくらいあるのでけっこう大変。とりあえず、今日、日本語のSophiaFramework ページの最新版を急いで英訳した。

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2005 年 01 月 25 日 : 企業理念と経営

先週の土曜日( 1 月 22 日)、企業経営で、創業以来ずっとお世話になっている F 社長に、平成 16 年度京都中小企業技術賞受賞を祝した懇親会を主催していただいた。

曲がりなりにも、歳月を経るに連れ、加速するように会社の経営がぐんぐんと良くなっているのも、一重に F 社長によるご指南のお蔭と大変感謝している。

国内のみならず海外をも含め、手広く事業を展開されておられる方である。過密なスケジュールでご多忙な中、貴重な時間を割いて、京都まで来てくださった。

その意味において、私たちはツイているのかもしれない。謙虚に感謝しなければ…。

ご期待に添えるよう、初心を忘れることなく、より一層励まねばと心を新たにした。

この方から学んだことはシンプルだけれども、ずっしりとした重みがある。では、いま自分が自然な振る舞いとして、それができているかといえば、必ずしもそうでないだろう。しかし、そうありたいという願いだけは強い。思いは実現するという。この志をずっと大切に残したい。

学んだことの本質は、経営の根幹は企業理念にあり、理念は心と人格を高めるという原理原則に基づかなければならないということだ。

創業当時、必死に考えた末、企業理念「夢のある未来の創造」はできあがった。ソフィア・クレイドルの原点ともいえる。多少の表現の修正はあったものの、企業理念そのものにブレはない。一貫してずっと不動の存在である。

難局に差し掛かって迷いや悩みが生じた場合は、いつもこの原点に立ち返って、長期的な展望を持って瞬時に正しく意思決定するように心掛けている。

消えてゆくベンチャーが数多ある中、これこそがソフィア・クレイドルが今日まで生存し、しかもたゆまなく成長している原因であり、真の理由であると思う。

企業理念「夢のある未来の創造」を文章で表現したものを記す。(ソフィア・クレイドルのホームページにある社長挨拶文と同一の文章。)

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■社長挨拶

ソフィア・クレイドルは長期的な展望を持って、様々な視点から世の中のあらゆる事象を洞察する会社です。それにより、シンプルで普遍的な、新しい原理原則を見つけ出し、その息吹を“作品”と呼べるものに凝縮させます。新たな美しく豊かな生活空間をイメージし、その理想を実現させることにより、社会へ貢献できることを願っています。

斬新で、創造的な“作品”を生み出すにあたって大切にしていることは、会社組織に関わるあらゆる方々の立場を尊重する姿勢です。あらゆる個人を尊重し、個々が持つ無限の可能性と多種多様でユニークな才能の間に、相乗効果を発生させることにより、クオリティの高い、世界を変革しうる“作品”が産まれると信じます。

ソフィア・クレイドルは平均年齢 20 代前半という若いスタッフによって構成されている組織でもあります。既成概念にとらわれない若者たちが、のびのびと楽しく自由に発想し、行動することによって、光り輝く、希望と夢に満ちた“新しい時代”を切り開いていく場であるように目指します。

株式会社ソフィア・クレイドル
代表取締役
杉山和徳

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2005 年 01 月 21 日 : ベンチャー起業の視点

5 年後、10 年後には、世界的にクールな会社として少しは知られる存在でありたいと願って会社経営している。

ソフィア・クレイドルはソフトウェアプロダクツを研究開発し、マーケティングするソフトウェア業という業種に分類される。

それでは、ソフトウェア業に分類されるベンチャーが、たゆまなく継続的に成長するための条件とは一体何なのだろうか?

どのような業種のベンチャーであれ、事業を始める時は、この問いを発することこそが、ベンチャー生存のための最優先事項であろう。この核心が分からなくて、目先の現金を追い求めたがために自滅していったベンチャーは数え切れない。

野球にせよ、サッカーにせよ、概ねスポーツにはルールがあり、表現していなくても「勝つためのセオリー」が在る。アマチュアはともかく、プロフェッショナルなレベルでは、それなくして勝利は有り得ないのだろう。常勝を掲げるようなチームは、そういう視点から真剣勝負である試合へと臨む。

ベンチャーを起業するということは、生存するための条件がプロスポーツと同じくらい厳しい現実があるかもしれないのに、そういう視座を据えない人たちがなんとなく多そうだ。

ある新卒採用関連事業会社のサイトによれば、「 94 %の会社は 10 年以内に潰れる」らしい。ほとんどの会社は 10 年以内に倒産するという事実は、おそらくどの会社にも共通する根本的なことが、等閑にされているからなのではないだろうか。

多くの起業家が、業界のルールや必勝セオリーを学ばず、真に大切なことを洞察せずに事業を始めていたりする。

ソクラテスの「無知の知」ではないけれど、自分がどこまで知っていて、どこから先は知らないのか。その境界線をまず知っておくことは、きっと万事に当てはまる大切な見方なのだろう。

ベンチャーである以上、未知の世界に飛び込むわけで、やってみないと分からないことも勿論たくさんある。しかし、過去の歴史から学べて、その現象を現在や未来に応用できることも意外に多いものだ。

ソフィア・クレイドルの場合、ソフトウェア業であるので、業界で成功した米国マイクロソフト社の歴史から多くを学ぶことができた。米国マイクロソフト社関係の書籍はほとんど揃えている。この会社の中には、ソフトウェア業におけるベンチャー経営のヒントが幾つも隠されている。逆に、失敗して消え去ったベンチャーについても、その原因を探って同じ失敗を繰り返さないように努めることができるだろう。

米国マイクロソフト社が成功した本質だが、次の 2 つが最重要なポイントであろうと考える。

1. IBM という世界 No. 1 のメジャーなプラットフォームの上でビジネスを展開していった。

2. 天才的なプログラマーのスカウトとその待遇に最も力を入れた。

米国マイクロソフト社からはこれらのことを学んだ。ソフィア・クレイドルでは、創業直後の 2002 年 4 月に、次世代携帯電話向けソフトウェア事業のプラットフォームを CDMA 技術で圧倒的シェアを誇る米国クアルコム社BREW に定めた。そして、創業以来一貫して比類なき若き天才プログラマーの発掘と育成に全力を捧げている。

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