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2005 年 06 月 09 日 : Core concept -22-

「唯一・無二」と言うものの、そんな製品やサービスは星の数ほどあるけれど、多くのお客さまに支持されているものはほんの一握りの存在でしかない。売れている製品やサービスには必ずその理由がある。ベンチャー経営においてそういった足場を固めることは何よりも重要である。

どんな人がどういった切実な理由でその製品やサービスを買い求めるのか?

現在のソフィア・クレイドルの基本的なコンセプトは、携帯電話向けソフトウェアを開発するための「プログラミング言語」とその言語によって記された「ソフトウェアを圧縮する技術」に集約される。

ソフトウェアを記述するには「プログラミング言語」が必要である。英語を話せなければ海外ビジネスができないのと同じ理由で、そこにはニーズが必然的に生じる。ソフィア・クレイドルが着目したのはC++というプログラミング言語である。皆さんが利用しているパソコンの中に最低でも一つは、C++で記述されたソフトウェアがあるものと推測される。

それくらい当たり前のようにしてパソコンのソフトウェア開発で利用されているものが、携帯電話向けソフトウェアでは全く利用されていなかった。C++というプログラミング言語を操れるプログラマーは数え切れないくらい存在するし、携帯電話向けソフトウェアが活況を呈すれば、当然そんなC++プログラマーがこの業界に参入してくることが予想できた。

世界では20億台近くもの携帯電話が普及している。世界中の全ての携帯電話について、C++でプログラミングされたアプリケーションが一つあるとし、その単価が100円であるのならば、それだけでも2000億円という膨大なビジネスポテンシャルがある。しかも携帯電話の普及台数は今でもなお増え続けている。アプリケーションも一台の携帯電話に付き一つに限られるわけでもない。そこには膨大なマーケットポテンシャルが隠されているのだ。2000億という数字は氷山の一角に過ぎない。

ソフトウェアの圧縮について。これは簡単に言ってしまえばプログラムのサイズを50%に小さくするという他には何もないくらいシンプルなビジネスだ。プログラムのサイズが50%になるということは、携帯電話に組み込むべきプログラムを保存するメモリーは半分で済むということを意味する。その携帯電話一台だけを見れば、メモリーが1メガバイト少なくなって100円安くなるに過ぎないように思えるかもしれない。しかし20億台という世界で普及している携帯電話の台数を掛け合わせれば、自ずと2000億円というマーケットを展望できる。

私たちは以上のような理由で、研究開発している製品が確実に売れ、かつそのマーケットポテンシャルの無尽蔵さに確信を抱き、このベンチャービジネスに挑んだのだった。

(つづく)

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2005 年 05 月 13 日 : 海外向け製品を出荷開始!

少し遅れましたが、本日、携帯Javaアプリを圧縮する弊社ソフトSophiaComoress(Java)の海外対応版を発表しました。今月から海外取引を開始します。発表前から、既に数百件の評価版申し込みが海外から入っています。これからが楽しみです。

⇒ プレスリリース(下記の文面よりもこちらの方が見やすいです。)


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《ソフィア・クレイドル、海外向け携帯 Java アプリ圧縮ソフト出荷開始》

〜海外携帯Java 仕様に対応、英語版も出荷開始〜

[概要]

携帯電話向けソフト開発の株式会社ソフィア・クレイドル(本社:京都市、代表取締役社長:杉山和徳、以下 ソフィア・クレイドル)は、2005年5月13日より、海外向け携帯Javaアプリを圧縮するソフトである、「SophiaCompress(Java) バージョン3.1」【※1】を出荷開始します。北米、南米、ヨーロッパ、アジアなど全世界で利用可能な英語版も同時に出荷を開始します。


[詳細]

これまで国内市場において携帯Javaアプリ圧縮ソフト「SophiaCompress(Java)」は多数のゲームメーカー、コンテンツプロバイダー、システムインテグレーターを中心に採用され実績があります。

近年、Javaが搭載された携帯電話は日本のみならず、北米、南米、ヨーロッパ、アジアなど世界中でその普及が進展しています。それと同時に、海外市場において携帯Javaアプリの圧縮ニーズが急激に高まっています。

この度、ソフィア・クレイドルはノキア、サムスン、モトローラなどの海外メーカー製のJava搭載携帯電話にも対応した、Javaアプリ圧縮ツール「SophiaCompress(Java) バージョン3.1」を、2005年5月13日より出荷開始します。

同時に、英語版の「SophiaCompress(Java)」も提供し、海外の携帯Javaアプリ開発会社への輸出を開始します。

本製品の価格は1ライセンス30万円。今後1年間で日本と海外を合計して1000ライセンス販売する計画です。

なお、下記のソフィア・クレイドル社サイトの URL にて、2005年5月13日より、本製品の無償評価版の申し込み受け付けを開始します。

「SophiaCompress(Java)」無償評価版申し込みURL:
/cgi-bin/trial.cgi?compress

本プレスリリースURL:
/news/press/20050513.html

以上

■ 主な新機能

●海外のJava搭載携帯電話に対応
●英語対応
●J2ME/MIDP2.0に対応
●JDK1.4でコンパイルされたJavaアプリが圧縮可能
●クラス融合レベルのカスタム設定機能
●クラス名短縮機能
●圧縮後のメインクラス名の変更機能


■ 用語の説明

【※1】SophiaCompress(Java)

ソフィア・クレイドル社が2002年7月に発表した、国内全てのキャリアの携帯電話向けJavaの仕様に対応した、世界初の携帯電話専用のJavaアプリ圧縮技術。コンパイル後のJAR形式のJavaアプリをそのまま圧縮し、実行できる世界初の携帯Javaアプリ専用の圧縮ツール。大手コンテンツプロバイダや大手ゲームメーカー、大手システムインテグレータなどを中心に多数の導入実績があり、事実上の業界標準Javaアプリ圧縮ツールとなっている。

●詳細情報URL:/products/compress/index.html

■ 会社の説明

株式会社ソフィア・クレイドル
代表者: 代表取締役社長 杉山和徳
設立日: 2002 年 2 月 22 日
所在地: 京都市左京区田中関田町 2 番地 7
資本金: 2645 万円
従業員数: 16 名
事業内容: モバイルインターネットに関する:
1.ソフトウェア基礎技術の研究開発
2.ソフトウェア製品の製造及び販売
3.システム企画及びインテグレーション
ホームページ: /

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2005 年 04 月 21 日 : 余談 〜海外進出〜

海外からの問い合わせが引っ切り無しに多い。それも特定の国からだけでなく、世界中のありとあらゆる国からだ。裏を返せば、いま世界の携帯電話事情は次世代へと移り変わる過渡期にあるのだろうか。ベンチャー故、ソフトウェアライセンス契約書やマニュアル類を辞書片手に自ら和文英訳するしかなく滅茶苦茶忙しい。

今年2月に出荷予定だったが、諸般の事情で遅れていた、2種類の海外対応版製品を来月ようやく出荷できる。本格化するのは来年以降と見通している。これからが楽しみだ。

  

2005 年 03 月 20 日 : 顧客の創造

大企業とベンチャー」の日記でも記したように「顧客の創造」ができればベンチャーも安定し、次のフェーズへのステップも見渡せるようになる。しかし、無名のベンチャーにとって「顧客の創造」というのは言葉でいうほど簡単じゃない。

今日は、私たちが『ソフィア・クレイドル』というベンチャーでどうやってその壁を乗り越えてきたか、或いは乗り越えて行こうとしているのか、『SophiaFramework』というソフィア・クレイドル製品を例にあげて戦略的観点からまとめてみようと思う。

先ずは『SophiaFramework』についての説明から。

『SophiaFramework』とはBREW搭載の次世代携帯電話向けソフトウェアライブラリーだ。携帯電話向けユーザーインターフェースを核としているのが大きな特徴になっている。(BREWについて:BREWとは!

簡単にいってしまえば、“パソコンのWindowsのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)的な操作性を持つアプリケーションを携帯電話上で簡単に作れてしまう点”が最大の効能になっている。

携帯電話向けソフトウェア開発の業界を選択し、BREWに関する研究開発という事業に参入すると私たちが決断したのは2002年3月。KDDIがBREWのサービスを開始する一年前のことだった。その時、BREWのマーケットは日本国内には存在しなかった。世界市場を見渡しても辛うじて韓国のKTF、米国のVerizonというキャリアがBREWサービスを細々と開始し始めた程度で全く注目されていなかった。この業界の専門家の大半は、未来のすべてを託すかのようにNTTドコモiモードに集中していた。

BREWとは!の日記にも書いたように、次世代携帯電話が普及すれば、BREWはその世界的なデファクトスタンダードになりうる。それで事業をここに定めた。その時、私たちに幸いしたのは、当時はNTTドコモが世界的にも他のキャリアを圧倒していたので、BREWのコンセプトに着目し事業化しようとする人が少なかったことであろう。

一般に、ソフトウェアのデザインと開発で最も難しいのは、『ユーザーインターフェース』か『ネットワークプログラミング』ではないかと思う。私たちは先ず『ユーザーインターフェース』の部分に着目した。もともとBREWは米国で生まれたものであり、その当時アメリカの携帯電話は、日本よりも2〜3年時代遅れのものであったため、BREWが提供するユーザーインターフェースもそんな携帯電話で間に合うようなものでしかなかった。(こういうことは、世界の携帯電話事情を知らなければ意外に知られていないようだ。)日本国内の携帯電話にはメガピクセルカメラが内蔵されたり、QVGAという細かい文字や絵が描画できる液晶が搭載されいる。BREWがデフォルトで提供するユーザーインターフェースだけではそのハードウェアが持つ機能を十分に活かしきれるものではなかった。

パソコン、テレビ・ビデオ、自動車……どんなものにせよ、ユーザーインターフェースの革新と共にその利用者が圧倒的に増加し、そして利用者から支持され愛されるものになる。そこで私たちはBREWの携帯電話向けにユーザーインターフェースの革新を創造しようとした。

ベンチャーの場合、知名度のある競合他社が同じような製品を提供していると、余程の効能か営業力が無い限りそのベンチャーは生存すら困難な事態に陥る。私たちはそういった熾烈な競争を避けるために、最初は競合他社が存在しないBREWのユーザーインターフェースという、その当時極めてニッチなマーケットに照準を定めたのだった。

『GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)』は利用者にとって使いやすくその必要性は極めて大きい。しかし、その分プログラミングも複雑で大規模となり開発は大変である。

『SophiaFramework』の研究開発の過程において、さまざまな問題に遭遇しては、それを解決して一歩一歩進むというような感じで、一進一退のペースではあったけれど着実に歩を進めていった。携帯電話の特性上、貧弱な限られたハードウェアで“使いやすく豊富かつ高機能なユーザーインターフェース”という相矛盾する課題をどうやって調和をとって解決するか、が最大のポイントであった。

そんな風にして研究開発したユーザーインターフェースだから完成までに多くの時間を要したのだけれど、その時間の差そのものが『SophiaFramework』の競争優位性となったと思う。世界マーケットにおいて、“C++というオブジェクト指向プログラミング言語”によるWindowsのようなマルチウィンドウをBREW携帯電話で可能にしているものは未だに存在していない。

そういったGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)をBREW携帯電話で実現しようとすれば『SophiaFramework』しかない。謂わば『機能性』の希少価値を提供し、それによって顧客を創造するという戦略である。

無名で実績のないベンチャーであったにしても、そこにしか存在していなくて手に入れることができないものならば、その機能の必要性の強さに応じて売れる可能性が高まるだろう。そういったところに『顧客の創造』のヒントが隠されている。

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2005 年 02 月 07 日 : FOMA700iシリーズ

NTTドコモの新しいFOMA700iシリーズが発表されてから、弊社の携帯Javaアプリ圧縮ツールSophiaCompress(Java)への問い合わせが増えている。

ITmediaMobileのニュースをよく確認してみると、iアプリの容量制限がFOMA901iシリーズは100KBなのに対して、FOMA700iシリーズは30KBであることを確認できた。

100KB近くのiアプリならばどうしようもないかもしれないが、30〜60KBくらいのサイズであれば、SophiaCompress(Java)によって30KB以下に圧縮できるかもしれない。SophiaCompress(Java)の平均圧縮率は30〜60%であるからだ。

FOMA700iシリーズはFOMA901iシリーズよりも1万円くらい安く価格を抑えて、本格的なFOMA普及機の位置付けになるものと推定される。マーケットに出回る8割方のFOMAは700iシリーズとなることも否めない。

コンテンツプロバイダなど実際にFOMAをビジネスに利用する企業にとっては無視できない問題なのだろう。

SophiaCompress(Java)によって、より多くのFOMAユーザーがよりたくさんのiアプリを利用できるようになればと願う。

  

2005 年 02 月 02 日 : 世界デビュー 〜 SophiaFramework〜

米国のテクニカルライターから英文のメールが届いていた。それによると、IT 技術者向けの著名なポータルサイト(http://developer.com)でソフィア・クレイドルのソフトウェア( SophiaFramework )を記事として紹介したいとの打診だった。

SophiaFramework は、3 年というベンチャーにしては長い歳月を費やして、米国クアルコム社の次世代携帯電話チップ上で稼動する、汎用的なアプリケーションプラットフォームとして製品化された。

最大の特長は、次世代携帯電話の組み込み系アプリケーション向けに、GUI フレームワークを有する、C++ オブジェクト指向プログラミングの開発環境を世界で初めて提供した点にある。

この技術革新がテクニカルライターの関心を惹いたようだった。

*SophiaFramework 製品マニュアルの英訳を急がないと…。1000 ページくらいあるのでけっこう大変。とりあえず、今日、日本語のSophiaFramework ページの最新版を急いで英訳した。

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2004 年 12 月 15 日 : ビジネスの軌道 −後編−

何が起こるのかよく分からない未知の世界へ挑むには勇気がいる。だが、ワクワク、ドキドキする楽しく愉快な気分も同時に味わえる。そう、みんな子どもの頃は知らないことを、日々ワクワク、ドキドキしながら学んで成長していったと思うけど、そんな時の感覚に近い。大人になってからもこんなふうにベンチャーをするのは、ある意味ではいつまでもそんな希望や夢を実感していたいからかもしれない。

過去に存在しなかった前例のない製品を研究開発するだけでも大変なことだ。その上、製品が、お客様にとって、喜んでお金を払ってまで使いたいというレベルに仕上げることができなければ、ベンチャーは市場から姿を消す宿命にある。そういう世界に自分の身を置いている。

実際には、命を落とすわけではないのだけれど、命を賭けた冒険に近い一面もある。だからこそ、それを達成できたときの光景は、冒険者たちが自分たちの野望を果たした時と同じくらい、誇らしい充実感に満ちたものなのだろう。

製品を研究開発するにあたって、その実現可能性については、未知の技術ではあるが自分たち自身を信じるしかなかった。塵も積もれば山となるように、大きな目標を小さくブレークダウンして、一歩一歩堅実に着実にプロセスを進めていった。諦めず、粘り強く、頑張ることで、遂に製品は完成した。厳しい局面もあったけれど、なんとか乗り越えることができた。普通の人なら途中で挫折し、諦めてしまうだろうと思うほど、大変な時期もあるにはあった。人生を賭けてやるんだという意気込みが後押ししてくれたのだと思う。バージョン 1 にしてはなんて素晴らしい!と自画自賛できる製品を完成させることができたのだった。

報道機関にプレスリリース文で新製品について紹介すると、新規性があり、市場に及ぼす影響力があるかもしれないということで、新聞、インターネットなどのメディアに私たちの製品や技術が採りあげられた。たくさんの先進的なお客様からその無償評価版への申し込みが殺到した。普段何気なく接しているマスコミというものの有り難さをその時初めて味わった。

ソフィア・クレイドルが扱っている製品の場合、一番厄介なのは何かというと、テストデータを自社で作れるほど人や時間がないということだった。例えば、携帯 Java 専用アプリ圧縮ツール SophiaCompress(Java) の場合、お客様も、何人もの人、何ヶ月もの時間を投入して、やっとの思いで一つの携帯電話向けゲームとして完成させる。それが一つのテスト用データというわけだ。しかもプログラムの構造のバリエーションは数え切れない。それら全てのバリエーションに対応させなければ安心して製品として販売できない。自社で自力で全てのケースを網羅するテスト用データを作ることは事実上不可能だった。自社ですべてのテスト用データを作るとすればそれだけで数億円以上の費用がかかったことだろう。

しかし、SophiaCompress(Java) を提供した当時は、類似製品は市場に存在しなかったので、お客様は前向きに評価版を試してくださった。ある時は、SophiaCompress(Java) が未完成であったために圧縮できなかったアプリケーションを、多くのお客様がテスト用データとして無償提供してくださった。お客様のアプリケーションで発生した不具合を、その都度修正することを繰り返すことで、製品の信頼性が飛躍的に高まり、実用化のレベルに達していくのが、実際見ていてよく分かった。このようにして、製品はお客様の好意に支えられつつすくすくと育っていった。

もし製品レベルの類似製品が既に市場に存在していたとすれば、こんな手を打つことは事実上不可能だったろう。そのチャンスを掴むことによって、膨大なコストをかけることなく新規性のある製品が常に問われる「信頼性」というものを飛躍的に高めていったのだ。同時に、お客様との対話を通じて、ニーズやウォンツを取り入れて、実用的な水準へとその価値を高めていった。このように、安心して、飛行機に乗れる状態にしていったのだ。

いまから、同じジャンルの製品を開発していこうとすれば、このような方法は難しいであろう。何千、何万もの膨大なテスト用のプログラムを自前で用意しなければならないし、信頼性を上げるためにその数を増やそうとしてもほとんど不可能だ。何よりも先進的なお客様との対話も難しい。恐らく、こういう背景があることも、競合他社が未だに現れない事情になっているのだろう。

新規性のある製品の場合、機能性以外に「信頼性」というものが大きくものをいう。我々は信頼性を飛躍的に向上させるために以上のような手段をとった。ご協力いただいた先進的なお客様には言葉では言い尽くせないほど感謝している。

こういう事業の進め方において、リレーショナルデータベースの世界ではダントツでシェアナンバー 1 の米国オラクル社が創業時に採った戦略を参考にした。リレーショナルデータベースの理論を世界で初めて考案し、発明したのはIBMEdgar F. Codd氏である。オラクルの創業者であるラリー・エリソン氏は、いち早くその論文を読み、その将来性を見抜いた上で、IBMよりもずっと早く未完成なリレーショナルデータベースを世の中に提供し始めた。当初、そのデータベースはバグだらけで、ほとんど使いものにならなかったらしい。が、リレーショナルデータベースを待ち望んでいた熱狂的な一部の顧客から支持され、いろんな不具合や市場ニーズを取り入れることを繰り返すことで、それを発明した IBM を差し置いてリレーショナルデータベースの市場では圧倒的なナンバー 1 企業となったのである。

歴史は繰り返すという。過去の事例から、適用できる手法はないかどうか探したり、研究することで得られる教訓は数知れない。


追記:

オラクル創業者、ラリー・エリソン氏の参考となる言葉

"I admire risk takers. I like leaders - people who do things before they become fashionable or popular. I find that kind of integrity inspirational."

  
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