2005 年 12 月 07 日 : コピーライティング
サイトリニューアルも大詰めを迎え、いつになく多忙な日々が続く。
「行百里者半九十(百里を行く者は九十を半ばとす)」(『戦国策』秦三巻)という。もう少しで完成するにしても油断せず、全力を尽くす習慣が偉大な成果に繋がるのだと信じる。
半年間というもの、Web マーケティングチームと日々有益なミーティングを交わしながら、完成度の高いサイトに仕上がりつつある実感を得ている。見た目の色やデザインも重要だけれど、相変わらずメッセージで言いたいことを伝えるのは難しいと痛感している。
例えば、「山」、「川」、「海」は単なる"文字"としての「ヤマ」、「カワ」、「ウミ」じゃないのだ。言葉を読んだり、聴いたりした時、脳裏に描かれた、個々人にとっての「山」、「川」、「海」の情景、或いは心の中を駆け巡る自然の音色なのである。
そんなことを意識しつつ、一言一言に思いを込めて、サイトにメッセージを刻んでいるのだ。僕が思いも寄らぬ情景を読者が思い浮かべることで、何らかの新しい創造的な出来事に発展するのならば…と想像するだけでわくわくしたりもする。
活字離れが叫ばれて久しいが、大切な事実がひとつ隠されているように思う。
ひとつひとつの言葉は、人々の頭の中で消化された瞬間、マルチメディアとしての音と映像に変換される。それは、コピーライティングをする上で極めて重要な原理原則である。
2005 年 11 月 09 日 : タイムパラドックス
プロデューサーとして、経営者の最も重要な役割は時の流れを読んで波に乗ることだと思う。そのイメージが鮮明に脳裏に浮かんだ瞬間、成功は約束されたに等しい。
空間みたいに時間を自由に行き来できる架空の乗り物としてタイムマシンがある。しかしタイムマシンで時間旅行するプロセスにおいて起こる様々な出来事が、現在、過去、未来の全空間に矛盾を引き起こすというタイムパラドックスが発生してしまう。
ベンチャーは現在、過去、未来という時の流れの中での変化がすさまじい。それだけに、たとえ半歩先にしても思った未来を俯瞰し、見極めたチャンスに乗じれるかどうかでエンディングは天と地ほど違ってくる。
未来を予測する代表例として、天気予報を挙げることができる。天気予報とは、地球上の各地点の天気・気圧・風向・風速・気温・湿度などの現在の気象データをインプットして偏微分方程式を数値解析して未来の天候を予測するというものである。
空間のポイントは無数にあるから、定められた時間内にコンピューターで計算して未来の天候を得るには代表的なデータをサンプリングするしかない。データの精度に応じて天気予報の的中率も左右されるのである。
経営者が未来を予測する姿は正にそれに近いと思った。社会のこと、業界のこと、自社のこと・・・様々な情報をインプットし、時間をステップバイステップに進めつつ、未来を予測する。無限にある情報の中から限られた情報で予測するので誤差が生じる。正確に予測しようとすればするほど未来シナリオの構想に膨大な分析が必要になる。また、自分自身が未来へと旅する結果生じるタイムパラドックスも考慮せねばならない。
いろいろと複雑な事情が絡むだけに未来の領域を正確に見渡すのは不可能だけれども、敢えて意識して未来を予測する習慣があるか否かで結果は大きく異なってくるだろう。
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2005 年 11 月 04 日 : 天頂へとつづく滑走路
今日は昨年のミスチルの"シフクノオト"を聴きながら、いろいろと未来の構想を練っている。
このアルバムでお気に入りは"天頂バス"という曲。
印象的なフレーズは
天国行きのバスで行こうよ
揺れるぞ 地に足を着けろ
己の感覚と交わした約束を
果たすまで降りはしないぜ
どんな暴風雨が襲っても
全力疾走で駆け抜けろ
僕らは雑草よ
でも逆の発想を
この胸に秘めているよ
このバディーに秘めているよ
( 作詩 : 桜井和寿 )
という部分。( リズムから詩の雰囲気が伝わってくる名曲だ )
世界の頂点に立とうと志すならば、秘めたる覚悟は欠かせないと思う。
2005 年 10 月 17 日 : シンクロニシティ
遠くの見知らぬ人が自分と同じように感じたり考えたりすること、シンクロニシティ(シンクロ)は珍しい現象ではない。音楽の世界では人びとの心の間でその曲を聴きたい気持ちがどれくらいシンクロするかで、それがヒットするかどうかが決まるという。(※ 「プロデューサーは次を作る」 小室哲哉 著 )
新しいマーケットを自ら創造する強力なパワーを持ち得ないとすれば、人びとの潜在意識に宿る心や気分の一端を探り当てることができたら良い。そんな気持ちを潜在的に持っていた人口に比例して、それは大きなマーケットに育ってゆくのではないだろうか。
今までは BLOG のように個人で気軽に情報発信するツールは少なかった。最近は Google に自分の考えや気分を表現するキーワードを打ち込んで検索して、世の中に自分とシンクロする人たちがどれくらい存在するのか知ることができる。また潜在的に同じように考えていたり感じたりしていた、見知らぬ人びとにメッセージを伝えてそれを顕在化させることもできる。
商品やサービスというのは、人びとの心のなかにある何かが動くから売れるのだろうという仮説を持っている。逆に言えば、最初から心のなかにないものは売れないという発想である。時代に伴い人びとの心も揺れ動くので心の変化は微妙ではあるけれど、基本は同じと感じている。でもまだその答は探索中である。
商売を創める時に注意しなければならないのは、その商品やサービスは潜在的に人びとの心に宿るものであるかどうかということ。それから、人びとの心とシンクロして共に大きなマーケットに育ててゆくことのように思える。
2005 年 10 月 16 日 : マイナスイオン
植物は、蒸散作用で水蒸気を出し自分の体温を調整している。植物が発する水蒸気にはマイナスイオンが含まれている。それには人びとを心地良くする何かがあるらしい。
ネットで調べてみると、
「マイナスイオンは、人体の血液中のカルシウムやナトリウムに作用し、血液中の弱アルカリ化を促進しているといわれている。血液中のマイナスイオンが増加すると、新陳代謝が活発になり、体の抵抗力や自律神経の改善に役立つとされている。」
というマイナスイオンの効能を知ることもできる。
深い森林の中で、人びとが癒され清々しい気分になるのはそんな背景があるようだ。
いかにして独創力を高めるか。ベンチャーにとってそれは死活問題である。組織の独創力に関する問題は、経営者の問題意識の中でも最上位にランキングされると思う。
そんなこともあって、創業の頃からオフィスに惜しみなく観葉植物を配置して、少しでも独創的な研究開発がなされる努力をしている。効能ではなく環境としてのインテリアでありデザインの色彩の素材でもある。
厳しい創業の頃、あくせく働くのではなく、心に余裕やゆとりをどうやって持ったら良いか。それを押さえて進むのも手だと思った。ひとつの新しい発明や発見が、瞬間的に社会を変革してしまうのがインターネットの世界なのだ。
2005 年 09 月 17 日 : Think different
世に生を受けたその瞬間はみな同じようである。けれども、なぜ時の流れと共に加速するように差が開いていくのだろうか。ずっとそんな疑問をもっていた。
自分なりに考えたひとつの答えは、米国アップルコンピュータ社でも有名な "think different"という"人とは一味違った思考と行動のパターン"である。
一時に異なった視点からものごとを捉えること、ビジネスであれば”お客様と自分”という両方の座標軸で眺めて行動するような感覚である。これで大雑把ではあるけれど、人よりも2倍のパフォーマンスを発揮できるのである。
こんな姿勢も10回連続すれば、
2×2×・・・×2=1024
ということになり算術的にも圧倒的な差というものの説明が付く。
何の心配もない安定した境遇に置かれると、人は持てる100%の能力を発揮しなくなる。50%くらいの稼働率で無為に過ごしている人もいるかもしれない。
逆の意味で"0.5"という数字を10回かけるとどうなるか。掛ければかけるほどその値は限りなくゼロに収束してゆく。
2005 年 09 月 05 日 : Beat space nine
土曜日。
近くの TSUTAYA に入った時、心地よいリズミカルな曲が何処からともなく耳に入ってきた。m-flo の "BEAT SPACE NINE"だった。フィーリングが良かったので購入。
帰宅し、早速聴いてみた。バラエティに富んだ様々な曲調が楽しめる。一曲の中にも所々に趣があり意外性を感じさせてくれる。数多くのミュージックを聴いているわけではないが、凄く新鮮に感じ何回も繰り返し聴いている。そんな風にして曲を聴くのは久々のこと。
購入者特典のサイトがあって、それぞれの曲について自らコメントする映像が観れる。徹夜でレコーディングすることも多かったそうだが、"最高に楽しめた"そうだ。それから"土壇場の集中力"。それがよく伝わってくる CD だと思った。
自分にとって 2005 年で最もお気に入りの CD となりそうだ。