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2004 年 11 月 23 日 : トップ 1% のルール

ソフィア・クレイドルは、輝かしき未来のあるプロフェッショナルな若き異能集団だ。

プログラミング、システム管理、デザイン、コピーライティング、マーケティング等々について、社長である私が尊敬できる素質を持つ人たちだけで構成されている。

有能な人材を採用するために心がけているポリシーについてまとめてみる。

会社の未来はスタッフの働きによって築かれてゆく。だから、ベンチャーの場合、人材採用とは社長が最も力を入れるべき仕事だ。真剣勝負そのものだ。

「原因」があるから「結果」がある。紆余曲折はあった。持てる才能を遺憾なく発揮する人材を採用できる理由を多少なりとも蓄積できた。

いくつもの失敗をし、そこから学んで人は成長する。

人材採用を誤ると、ダメージは後遺症となって残る。

もはや過ぎ去りし日々のことだが。ネコの手も借りたいくらい忙しい時期に、不適切な人材を採用した。苦い経験をし、自らの身体で人材採用の大切さについて多くを学んできた。

「まとも」な人材ほど、会社の経営理念、事業内容などを知ってから応募しようとするものだ。だから、受け入れる側の会社もインターネットなどを活用し、まず第一に自社のことをありのままに分かりやすくアピールする必要がある。自社に合った適材を得るために。

「ソフィア・クレイドル」という会社を、1000 人で年商 100 億円ではなく、10 人で年商 100 億円を達成する企業にしたい。社員数が 100 名ならば、年商 1000 億円。そんな会社にしたい。

決して社員数は誇らない。目指すのは、1 人当たりのパフォーマンスを重視した経営を理想とする会社。

1 人 1 人のスタッフが普通の会社の 100 倍のパフォーマンスで働く。そんな逸材を求めて採用活動をしている。

近い将来、大リーガーのイチロー選手松井秀喜選手のように年収数億円を稼ぐ、まさしくプロフェッショナルなスーパースターがスタッフの中から出てくるだろう。

スポーツや音楽などの業界では当然であるようなプロフェッショナリティを追求することこそが、ソフトウェアビジネスの世界で生き残るための条件、常識となろう。

人を採用するときは、次の2つの質問をしてみるとよい。

1. その人と一緒に仕事をしたいのか?

2. その人に能力や才能(の萌芽)はあるのか?

1 番目の質問は、経営理念に合う人材かどうかを見極めるための問い。

2 番目の質問は、各分野においての、現在でなくとも将来的なプロフェッショナリティを推し量るための問い。

ソフィア・クレイドルでは、この 2 つの質問について、主観的な評価ではあるが、トップ 1 %以内の人材なら採用するという基本方針でやっている。簡単に言えば、100 人の応募に対して 1 人のペースで採用するということだ。

何故このような考え方が大切なのか?

全体を 100 として、そのうちの 80 を上位 20% のセールスマンが売り上げるというのがパレートの法則( 80 : 20 の法則 )だ。パレートの法則をこの上位 20% のセールスマンに適用すれば、上位 4% のセールスマンが全体の 64% を売り上げているということになる。

さらにパレートの法則をこの上位 4% のセールスマンに適用すると、上位 0.8% のセールスマンが全体の 51.2% を売り上げるということに帰結する。

単純にいえば、100 人の中で 1 番目の人材というのは 50 人分の働きをしてくれるわけだ。50 人分の仕事が 1 人で済むのだから、オフィススペースも 50 分の 1 でよい。なにより、厄介な労務管理に悩まされることが激減する。

だから、ソフィア・クレイドルは「トップ 1% のルール」を貫くのだ。

  

2004 年 11 月 20 日 : 人材を発掘する

プロフェッショナルな世界ほど「エース」の存在感というものは偉大だ。たとえば、松井秀喜選手にしても、大リーグ・ヤンキースに移籍した後の巨人は大きくスケールダウンしたと思う。

プロの世界では、人材発掘というこの重大な仕事を決して他社にアウトソーシングしていない。専業のスカウトが年中無休で有望な新人を求めて日本全国を駆け回っている。

会社経営においてもプロを目指すのであれば、プロ野球の球団や芸能事務所が自前で血眼になって人材を発掘するように、社長自らが先頭にたって会社経営の最優先課題と位置づけて行動することが肝心だ。

ソフトウェアを生業とする会社では、スタープログラマーの存在そのものによって、ビジネスの死命が決してしまうといっても過言ではない。プログラミングの天性、素質、才能に溢れんばかりの人材発掘に最も力を入れている。

人材紹介会社を使って人材を採用するという発想はほとんど無い。自社にとって有能な人材を世界中からスカウトするための専門部隊を創りたいほどだ。

エースが 1 人いるだけでも心強い。2 人、3 人と次第に増えることによって、会社というものは業績が心地よい指数関数曲線の軌跡を描いてゆく。

ベンチャーは、周りの環境に左右され、吹けば飛ぶような存在である。経営的に安定させるためにこのような手を打つことのプライオリティは極めて高い。それによって、いち早くベンチャーの域を脱することができるのだ。

有能な人材の発掘で心がけていることをまとめる。

肝心要なことは何か。

それは、向いているからこそ持てる才能を遺憾なく発揮するだろう人材を探すということだ。適材適所を究極なレベルにまで追い求めるということが理想だ。

ソフィア・クレイドルは、世界広しといえどもオンリーワン、しかもナンバーワンなものだけを創り、世界に提供することによって、人びとに感謝され、仕事の楽しみ、喜び、そして生き甲斐を見出そうとしている会社だ。適材を得るために、独創性や創造性といったような才能が他より抜きん出た人材を採用する努力を肝に銘じている。

独創性や創造性に秀でた人は、学校の成績でバラつきがあることが多い。成績がオール 5 というような優等生にはそのような人材は少ない。

例えば、数学はいつも 100 点満点だけど、関心の薄い国語や社会なんかでは 20 〜 30 点というような偏りがある人のことである。実際のところ、彼は、数学に 100 点以上の成績があるとするなら、500 点でも簡単に獲ってしまう。

活躍している人は、優等生タイプというよりは、偏ってはいるがユニークで貴重な才能を有するタイプだ。

求める人材の国籍を日本に限定していない。現在、ソフィア・クレイドルでは日本人以外にルーマニア人、中国人が働いている。海外にも有能な人材は確かにいる。

彼らは日本の教育を受けてきている訳ではないので、"一流大学⇒一流企業"のコースだけが成功のパターンでないことがよく分かっている。有望な人材を採用する意味においてはこれからはこのような海外の人材と共に仕事をし、成功を分かち合うことも重要な経営戦略となろう。

必然的に英語で話す機会も増える。日本語だけでなく、英語を使うこと、異なった文化を知ることで普段使っていない脳のシナプスが活性化され、「創る」という才能が育まれるのではないだろうか。

  

2004 年 11 月 18 日 : 事業を育てる

今年は 4 年に 1 度訪れる夏のオリンピックイヤーだ。そのアテネオリンピックで、数多くの日本人アスリートたちが活躍したことはまだ記憶に新しい。オリンピックで金メダルを獲得するようなアスリートたちは自分の体力、気力のピークをオリンピックの開催時期に合わせて調整するという。
会社を起してその事業を成功させる場合においても、「その事業のピークをいつにあわせれば良いのか?」という発想は極めて大切だ。そのピークに合わせて、「ヒト」、「モノ」、「カネ」など事業に必要なすべての段取り(調整)をするのである。
あらゆる事業に、「導入期」、「成長期」、「成熟期」、「衰退期」という 4 つのフェーズがある。また、不思議なことに、それぞれのフェーズの時間の長さ(期間)というものが、ほぼ均等であることを知っているのは大切だ。事業の段取りが比較的スムーズにいく。1 年の間に春夏秋冬があって、それぞれ大体 3 ヶ月で区切られるのと同じような感じ。
私の場合、これまで 3 年ごとに仕事の内容そのものを大きく変化させながらやってきた。従って、普段から 3 年毎に「ものごと」を捉える習慣がついている。よって、事業も大きくは 3 年刻みで大きく捉えて進めるのが、自分には向いていると思っている。
まだ会社を創って 3 年未満の状態なので、今の事業はその「導入期」の終わり頃にあると位置付けている。いまの事業のピークは「成長期」が終わる、3 年後と考えて、そこにピークにもってこれるようにいろいろと創意工夫を凝らしている。
インターネットの世界では「1 年が通常の 7 年」というドッグイヤーなんていうキーワードをよく耳にする。しかし、会社を数百年以上にもわたって存続できるようなものにするには、そんなに焦らずにゆったりとして事業を捉える方が良いと思う。IT ベンチャーでは少数派であるかもしれないが、逆の意味でその方がニッチを狙うベンチャーらしいのでは。できれば会社が永遠に存続し、成長、進化・発展するようにしたい。
数年後に大成功することを考えるより、数十年に渡って継続的に成長する道を選んだ方が着実であり堅実である。
「導入期」でやったことは以下の通り。

  • 1. 世界を狙える才能を持つ人材の発掘と育成

ミュージシャンも才能がなければ、優れた音楽を創れないのと同じで、商品に関しても「爆発的に売れるモノ」を開発するにはそれに適した人材が絶対的に必要である。

  • 2. 最も可能性のソフトウェアテクノロジーへの集中特化

いくら才能があったとしても、創った商品が全てヒットするとは限らない。大リーガーで大活躍しているイチロー選手にしても 10 打席のうち 6 打席、或いは 7 打席は凡退するのだから。
最初の段階で複数の商品を試験的に手掛けることは重要である。その中から最も可能性のあるにエッジを効かせて勝負を賭ける。

  • 3. プレスリリースによる認知度の向上

無名ベンチャー企業が創った商品をマーケットに広めるためには、マスコミを使った広報活動が一番効果がある。プレスリリースなどの対外的な文書作成に関しては、常に微に細に入り創意工夫を凝らしている。

  • 4. マーケティングシステムの確立

ハイテクベンチャー企業によくあることだが、営業を他社に委ねることは最初の段階ではしない方が良い。何故なら、商品の初期段階においては、必ずしも顧客ニーズが全て反映されていないからだ。使っていて不自然なところがどこかにある。直販なら、お客様といつも対話しているから、売れるように商品が自ずと育つ。

  • 5. Web サイトの構築

21 世紀はインターネットをフルに活用しきった企業だけが生き残るような気がしてならない。インターネットの威力を最大限活用して企業運営するように心がけている。

  

2004 年 11 月 17 日 : スタープログラマー

IBM のサンノゼ研究所の調査によると、小規模なシステム開発ですら、ソフトウェア開発者間で生産性の開きが 25 倍あるという。大規模なソフトウェア開発では、より顕著な差となるだろう。

ソフトウェアビジネスで成功をつかもうするなら、ひとりでもいいから、ミュージックシーンで売れてるアーティストのような、スタープログラマーらでチームを構成することが肝要だ。

浜崎あゆみは毎年コンスタントに年間レコードセールス 100 億円以上を記録する。これくらい売れているアーティストはごく少数である。むしろ全く売れないミュージシャンが大半である。2 者のパフォーマンスの差は無限大と言ってよいほど甚だしい。

限られた経営資源でスタートするベンチャーの場合、"浜崎あゆみ"のように売れるアーティストに相当するプログラマーの存在が輝かしい未来を決定付ける。

アップルのスティーブ・ウォズニャック、マイクロソフトのポール・アレン、サンマイクロシステムズのビル・ジョイなど、米国で巨大企業にまで成長した IT ベンチャーには、必ずといっていいほど、天才的なプログラマーの存在がある。

マイクロソフトのビル・ゲイツは、商品そのものであるプログラムのソースコードを最も重視していた。自らプログラムコードの内容をレビューしていた。それ自体が商品だからである。マイクロソフトではプログラマーの地位が高いのである。

日本のソフトウェア業界は上流志向が強い。プログラミングという仕事は定型的で誰にでもできる。システム分析やシステム設計ができる方が偉いとする考え方である。日本ではプログラマーの地位が低く、天才的なプログラマーが育ちにくい。

本当はプログラミングがしたいのに、周囲に流されて、分析者とか設計者、或いはプロジェクトマネージャーの方が地位が高いと勘違いし、肝心のプログラミングをしなくなる。

システム分析やシステム設計ができても、プログラムとして実現されなければ、絵に描いた餅だ。画期的なソフトウェアが日本から世界へ広まっていない現実は残念である。

今、携帯電話に代表されるモバイル機器は掌に収まる超小型コンピューター兼ネット端末に変貌しつつある。ハードウェア機器や通信インフラは日本が世界で最も進んでいる。モバイル機器上で無尽蔵に残されている世界のソフトウェアマーケットで成功できるチャンスでもある。

短い人生なのだから、アーティストといえるスタープログラマーとドリームチームを結成し、時代を変革したい。

スタープログラマーと共に、独創的なソフトウェアを世界に送り出す未来が待ち遠しい。

  
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