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2005 年 03 月 08 日 : メラビアンの法則

アメリカの心理学者メラビアンによると、話し手が聞き手に与える影響の構成比は次のようになるらしい。

○視覚(外見、表情、しぐさ、態度など):55%
○聴覚(音声の大きさ、トーンなど):38%
○言葉(話の内容、言葉の意味):7%

人間が動物と決定的に異なっていて、今日の高度な文明社会を築き上げる原因にもなった『言葉』がたった7%という結果は意外に思える。しかし、『パレートの法則(別名、80:20の法則)』の観点から考察すれば、この結果にも納得がゆく。

パレートの法則』とは、ものごとの80%は全体の20%に集中するという法則である。この集約された20%に、もう一度パレートの法則を適用すれば、ものごとの64%は全体の4%に集中することになる。

実験の結果だけからすれば、言葉そのもののインパクトは7%と少ないかもしれないが、重要度という観点からは『言葉』というものが70%くらいの割合を占めるくらい実質的な意味において貴重なものかもしれない。

音楽にしても、映画にしても、『言葉』が無ければ、それらの存在価値は大きく下がってしまう。文明社会にあって、『言葉』そのものはレストランでいうところの『味』に匹敵するものであり、それを疎かにすることは決してできないように思う。

レストランの場合、食事をする雰囲気も重要なので、環境的な衛生はもちろんのこと『視覚』に関連するインテリアや食器、『聴覚』に関連する音楽も大切だと思うけれど、肝心の『味』が悪ければお客さまは再び訪れることはないのではないか。

これと同じように、プレゼンテーションのコンテンツ中のコンテンツとも言える『言葉』そのものを大切なものとして取り扱うべきではないだろうか。

  

2005 年 03 月 04 日 : キラーアプリケーション

キラーアプリケーション』というキーワードは、コンピューター業界ではよく囁かれる言葉で、「IT用語辞典e-Words」では「あるサービスやコンピュータの機種を大きく普及させるきっかけとなる、特別に人気の高いソフトウェアやコンテンツのこと」と定義されている。

コンピューター』にしても『インターネット』にしても、それ自体は手段であってそれだけでは普及しえない。それを利用することで得られる感動や効能が起爆剤となって人びとの間にひろがってゆく。

コンピューターの最初の利用目的は弾道の軌跡をトラッキングすることだった。その後、企業の情報システムに利用され、現在では音楽や映像、そして電話までもが、いまや持ち運びできるほどに小型になったノートパソコンで利用できるようになった。

MacやWindowsのような、コンピューターの言葉ともいえる「コマンド」を覚える必要のない、「グラフィカルユーザーインターフェース」が発明され、そしてその上に創られた「表計算ソフト」や「ワープロソフト」の存在が『キラーアプリケーション』となって、パソコンは日常にひろまっていった。

『インターネット』はここ最近10年の間に起こった技術革新のように思われている方もいるかもしれない。これにしても30年以上も昔の1970年代には生まれていたテクノロジーである。暫くは軍事や研究などの目的だけに利用されていて、一般の人の目に触れることはまずなかった。しかし、1990年代に「Mosaic」という、今でいうならば「インターネット・エクスプローラー」のような、誰もが簡単にインターネットにアクセスできる、ブラウザソフトの存在そのものが『キラーアプリケーション』となって、今日のように多くの人びとに利用されるようになった。

コンピューターにしても、インターネットにしても、それを応用したアプリケーションは星の数ほどたくさんあったわけだが、それを世界中の誰もが使うほどに決定的な効能をもたらした『キラーアプリケーション』は、5本の指で数えれるほどに少なく貴重な存在だ。そして、その『キラーアプリケーション』が全てを運命付けるほど、ソフトウェアライセンスビジネスに携わる会社にとっては生命線の一つだ。

『キラーアプリケーション』を考える上で大きなヒントとなることがある。それは『ユーザーインターフェース』が革新された時に生まれる傾向にあることだ。『2進数』ではなく、初めて『文字』ベースでコンピューターと対話できるようになった時、或いは今日のようにグラフィカルなユーザーインターフェースが利用可能になった時である。『GUI』と呼ばれる『グラフィカルユーザーインターフェース』にしてもその原点は、1970年代のゼロックスのパロアルト研究所の成果なのだが、それ以来30年間この『ユーザーインターフェース』の分野で『ブレークスルー』と絶賛されるほどの偉大な技術革新は未だ起こっていない。

しかしながら、いま久しぶりに携帯電話で、ある種のユーザーインターフェース上の革新が起こりつつあるような予感や期待がある。この分野で何らかの画期的な成果を残すことができれば、それがモバイルのキラーアプリケーションへと発展してゆく可能性は十分ありうる。

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2005 年 02 月 10 日 : 吉凶の間には

これからの時代は個性というものが問われるような気がしてならない。社員数が多くなると、一見、いろんな個性があるかのように見えるが、実際にはそれらが相殺されて没個性となったりしているように思える。これもアーティストのコラボレーションのようなものかもしれない。

ハイテクベンチャーの場合、新規性のある製品を開発し、それをマーケットに広めるまで、そのテクノロジーのスケールの大きさに比例するかのように、たくさんの時間がかかるものである。

いまや世界中のほとんどのパソコンにはマイクロソフトのWindowsがインストールされている。このWindowsにしても、発売されて数年間は全くといっていいほど売れなかった。

だから、ハイテク製品の場合はそれが売れ出すタイミングを見極めることがとても大切だ。しかも、最悪の場合、売れるまでに何年間もかかるため、辛抱強さ、忍耐力といったものまでもが要求される。このハードルは意外に高いもので、やったことの無い人には理解しがたい事実かもしれない。

でも、ハイテクベンチャーといえども、運良く製品が売れ始めると急成長期に突入するわけで、その時初めて、それまでのことがやっと吉とでたり凶とでたりする。

反面、良いこともある。製品が売れなくて比較的に余力がある時期に、人手がかかる営業や事務、サポートの部分に関していろんな手をうっておけば、事業が拡大しても人数をふやさなくて済むからだ。

例えば、業務プロセスはマニュアル化し、コンピューターができる部分はシステムとして実現しておく。インターネットによる販売システムを構築する。製品のクオリティを最大化し、サポートの頻度を激減させる、などなど。

ベンチャーが瓦解する理由の多くは、急成長に伴う不適切な人材の大量採用に伴うものが多いように思う。日本の場合、もともとベンチャーで働くことに向いていない人が多いのだが、急成長期に背に腹は代えられないとばかりに、間違って採用してしまったりすることも多いと思う。

あまり人を増やさなくても、それを遥かに上回る業績をあげれるビジネスモデルを構築しておけば、人材採用も慎重に実施できる。そうすると、適材適所でない人の問題で、ベンチャー経営がおかしくなるようなことを避けることができるだろう。

  

2005 年 02 月 07 日 : FOMA700iシリーズ

NTTドコモの新しいFOMA700iシリーズが発表されてから、弊社の携帯Javaアプリ圧縮ツールSophiaCompress(Java)への問い合わせが増えている。

ITmediaMobileのニュースをよく確認してみると、iアプリの容量制限がFOMA901iシリーズは100KBなのに対して、FOMA700iシリーズは30KBであることを確認できた。

100KB近くのiアプリならばどうしようもないかもしれないが、30〜60KBくらいのサイズであれば、SophiaCompress(Java)によって30KB以下に圧縮できるかもしれない。SophiaCompress(Java)の平均圧縮率は30〜60%であるからだ。

FOMA700iシリーズはFOMA901iシリーズよりも1万円くらい安く価格を抑えて、本格的なFOMA普及機の位置付けになるものと推定される。マーケットに出回る8割方のFOMAは700iシリーズとなることも否めない。

コンテンツプロバイダなど実際にFOMAをビジネスに利用する企業にとっては無視できない問題なのだろう。

SophiaCompress(Java)によって、より多くのFOMAユーザーがよりたくさんのiアプリを利用できるようになればと願う。

  

2005 年 02 月 06 日 : 携帯OSの行方

2月2日、NTTドコモからFOMAの新シリーズ「700iシリーズ」の発表があった。

その発表で気になったのが、N700i,P700iがLinuxOS、F700iがSymbianOS、SH700iが独自OS米国クアルコム社のREXと呼ばれるオペレーティングシステムと推測される)という風にオペレーティングシステムの種類が3種類に分散している点だ。

KDDIが米国クアルコム社のBREWというオペレーティングシステム一本に絞っているのとは対象的だ。

現在、携帯電話業界では、どのオペレーティングシステムがデファクトスタンダードになるのか全く不透明な状態だ。しかも、携帯電話も一種の小型パソコンと見なせるので、その行方は携帯電話業界の未来を運命付けるものとなろう。

NTTドコモはダントツの国内最大手携帯電話事業だけあって、すべての可能性に分散投資しているように見て取れる。

オペレーティングシステム市場に関しては、世界的な規模で眺める必要があり、デファクトスタンダードとなりうるオペレーティングシステムの種類自体で、国内の携帯電話事情も激変することも十分あり得ると見ている。

そんなところにビジネスチャンスを見出すのがベンチャーというものかもしれない。

  

2005 年 02 月 06 日 : ダイレクトマーケティング

松下電器産業、京セラ、日本電産など日本を代表する製造メーカーに共通するのは、営業の体制を代理店に頼らず直販とすることで大きく成長したところにある。これらの企業を研究して思ったことは、ソフィア・クレイドルも直販を貫き通すべきであるということだった。

直販をすることで、研究開発の部門以外にマーケティングの部門が必要となり、経営資源の乏しいベンチャーには一見不利なようにも思える。しかし、直販することによって得られるメリットは他に代え難いものがある。

メリットを列挙すると以下のようになる。

1. 値決めは経営の根幹ともいえることだ。製品の価格を完全に統制することができる。

2. お客様のニーズを直接ヒアリングすることができ、実際に売れる製品の研究開発を進めることができる。

3. お客様のクレームや喜びの声を直接聴くことができ、研究開発部門のスタッフたちにとって大きな励みになる。(実はこれはとても珍しいことだと思う。)

最初は、全く無名で実績も何も無い状態で始めたので、営業に関しては大変苦労した。しかし、類似製品が存在しなかったのと、実際にそれがなければ仕事が滞ってしまうお客様に少しずつ売れ始めた。

営業的に未熟なところが多かったが、マーケティングの研究を深めたり、製品そのものの機能をお客様のニーズに合わせてグレードアップすること、それから実績を積み重ねることで、次第に売れる数が増えていった。

営業というものは人的な要素が極めて強い。実際、自分の給与の何倍も利益をセールスであげることのできる営業マンは、非常に少ない。だから、そういうトップセールス関連の書籍が山のように出版されている。

なので、ソフィア・クレイドルでは、インターネットによる直販にこだわり、マーケティングのノウハウをWebのシステムとしてプログラミングしている。これであれば安定して、年中無休で世界市場に向けての営業が可能だ。勿論、そのための研究や努力は必要だけれども、それに楽しみを見出すことができる。

問題は、最初から売れるわけではないので、その立ち上げをどうやって乗り切るかが重要であろう。例えば、製品に不足する機能があれば、それを強化するなどの取り組みをお客さまと共に進めることも大切であろう。

事業の立ち上げというものはとても地道な仕事である。しかし、積み重ねることでいつしか効果が現れてくる。最近は意外な国々からも問い合わせが来るようになった。

  

2005 年 01 月 17 日 : Blogとキャズム

BLOGのユーザー数を調べてみると、BLOGを使って情報発信している人はほんの数%に過ぎない。しかも、最近はその人口が伸び悩んでいるようだ。BLOGで書かれた情報を閲覧しているユーザーはたくさんいるが、有益な情報発信している人は少ない。結果的に、ユーザーからすれば、BLOGの情報から大きなメリットを得ている人は少ないのではないだろうか。(逆に言えば、そこに大きなビジネスチャンスが潜んいる可能性がありそうな予感がする。)

ちょうどいま、BLOGは「キャズム」に差し掛かっているのだろうか。

BLOGで情報発信している人が少ないのは、それによって作家やミュージシャンのように収入を得る手立てがほとんど無いのが大きいのかもしれない。知名度アップや広報宣伝のような定性的な効果はあるかもしれないが、定量的にはっきりと分かる現金収入には直結しない。(やってみて初めて分かることだが、これを毎日書くとなると意外に多くの時間と労力が要求される。)

また、BLOGから情報を得ようとする人の立場にたてば、現状のようなランキングのシステムでは、たとえそのBLOGが上位にランキングされたとしても、自分が欲している情報とは全く異なる場合があまりにも多い。

これは、BLOGを書いている人のプロフィール情報やBLOGの内容などから、その傾向をユーザーの欲する情報とオートマティックにマッチングするアルゴリズムの考案で、解決される問題なのかもしれない。

BLOGによって情報発信をする人が収入を得るビジネスモデルを確立すること、それから、そのユーザー個人にとって真に価値のあるBLOGコンテンツを簡単に瞬時に検索できるシステムの実現。もし「キャズム」というものがBLOGにも存在するのであれば、それらがBLOGの「キャズム」を乗り越えるためのキーになるような気がする。

コストパフォーマンスとクオリティを重視する「アーリー・マジョリティー」がBLOGを積極的に採用しようと行動するためのきっかけはこんなところにあるんじゃないだろうか。BLOGに関して、個人的に、こんなところにビジネスチャンスを感じる。

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