通常の営業活動と同じように、Web マーケティングにも「集客」と「販売」という 2 つのプロセスがある。「集客」はお客様をサイトへと導くプロセス。「販売」はお客様に製品を購入してもらうプロセス。
先ずは「集客」に絞ってまとめてみる。
ホームページを制作しても、肝心のお客様に来ていただかないと意味が無い。1 回で決まる商売もあるが、何度かのコミュニケーションを通じて決まる方が圧倒的に多い。何度もリピートしてサイトへ来ていただきく。そのプロセスを通じてお客様との絆を深める仕掛けや仕組みが肝心だ。
クオリファイされたお客様が好んで訪問するサイトをデザインするにはどうすれば良いだろうか?
普段どのようにしてインターネットから必要とする情報を得ているかを考えてみることがヒントになるだろう。
毎日、人は当たり前のようにしていろんなサイトを訪問している。
サイトを初めて訪問するきっかけは、90% 以上が、Google もしくは Yahoo! である。将来的には、マイクロソフトの MSN も考慮する方がベターだろう。
人は検索エンジンに「キーワード」をインプットし、検索結果の始めの 2 〜 3 ページの中でフィットするものをクリックすし、サイトを訪問する。
或いは、Web ニュースサイト、アドワ−ズ広告、バナー広告などを経由して目指すサイトに辿り着く。
意外に広告をクリックする回数は少ないのではないだろうか。個人的には広告は滅多にクリックしない。たまに気になったものだけをクリックする程度。
インターネット広告を否定するわけではない。コストパフォーマンスからいえば、Google や Yahoo! の検索結果のページからサイトへ、という経路を考える方が良いだろう。逆を言えば、もっと効果的なインターネット広告の手法はまだあるような気がする。
実際、ソフィア・クレイドルには営業マンは一人もいない。バナー広告やアドワ−ズ広告を出したこともない。けれども製品は売れている。毎月売上の本数は着実に伸びている。
創意工夫で、足を使った営業活動や派手な広告に頼らなくとも、売上は上がる。但し、そこに辿り着くには紆余曲折が確かにあった。
もう少し具体的にお話をすると…
ソフィア・クレイドルは、携帯ソフト圧縮ツール SophiaCompress と BREW 携帯向け C++ の GUI 開発環境 SophiaFramework を販売している。
この 2 製品についてのマーケティングアプローチは次の通り。
携帯 Java アプリを開発していて、そのサイズが容量制限をオーバーしてしまった時、インターネットを検索するのは自然の流れである。
大切なのは、「 Java 」(「 Java 」の代わりに「 i アプリ」でもよい)と「圧縮」や「 Compress 」のキーワードの組み合わせである。
大抵の場合、「 Java 」だけとか「圧縮」だけで検索しても目的とする情報になかなか到達できない。「 Java 」と「圧縮」或いは「 Java 」と「 Compress 」というようなキーワードの組み合わせで検索する。
実際に、Google で「 Java 」と「 Compress 」をキーワードにして検索をかけると、平成 17 年 1 月 14 日時点で、SophiaCompress のトップページが約 42 万件中全世界で第 1 位にランキングされている。
「 Java 」と「圧縮」をキーワードにすれば、「圧縮」というキーワードは日本語なので国内だけの話になるが、約 11 万件中第 1 位と第 2 位に SophiaCompress のページがランキングされている。
SophiaFramework は「 BREW 」と「 C++ 」や「 GUI 」、「 UI 」のキーワードの組み合わせが重要である。BREW で C++ プログラミングをしたい、或いは BREW で GUI を構築したい人は、そのキーワードの組み合わせで検索する。
「 BREW 」と「 C++ 」の組み合わせのキーワードならば 8.6 万件中全世界で第 1 位と第 2 位、「 BREW 」と「 GUI 」にしても 2.6 万件中全世界で第 1 位と第 2 位に、SophiaFramework のページがランキングされている。
「 BREW 」と「フレームワーク」、「ライブラリ」、「ユーザーインターフェース」、「オブジェクト指向」、「UI」などのキーワードとの組み合わせでも上位 3 位以内にランキングされている。
上位にランキングされた検索結果のページの見出しを見て、人はクリックする。切実な問題や欲求を抱える人はそんな風にしてサイトを訪れる。
上位に表示されるためには、SEO 対策と呼ばれるようなホームページ制作の工夫が必要である。「 title タグ」が重要である。人びとの問題や欲求に直結するキーワードで文章を構成するのが良い。キーワードを文中どこに置くかなどテクニックはあるようだ。意外に大切だと思ったのは、製品の名前をキーワードと関連させること。
SophiaCompress(Java) というようなネーミングはシンプルにお客様が求めているものをずばり表現している。インターネットではこんなネーミングもノウハウとなるかもしれない。
検索エンジン以外で重要なのは「お気に入り」からの訪問ではないだろうか。人は「お気に入り」に登録されているページをよく訪問する。
検索エンジンを辿って初めて来ていただいたお客様のブラウザの「お気に入り」に登録していただくための工夫も必要である。製品と関係のある、他にはない有益な独自情報をサイトに公開するアプローチも効果的だ。
ソフィア・クレイドルのサイトでは Java や BREW に関して、以下のような独自の技術情報を掲載している。
1. 携帯 Java プログラミング
2. BREW プログラミング入門
3. BREW のノウハウ集
すぐには商売に繋がらないかもしれない。けれども地道に情報発信を継続すれば、お客様との絆が次第に深まってゆく。
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