本日、SophiaCompress(Java) という、世界中の、携帯電話で動作する Java アプリを圧縮するソフトウェア製品をバージョンアップした。
この製品に関して言えば、大きなバージョンアップはこれで 4 回目である。
ソフトウェア製品のビジネスを手掛ける時、最も大切だなと思うのは、その製品の起承転結ともいえるプロダクトライフサイクルを鮮明に描いておかねばならないということだ。
初期の段階では、ベンチャービジネス故にその時点では顕在化しているマーケットのニッチなセグメントを発掘しうるかどうかが重要なポイントとなってくる。
これが見つからない限り、ソフトウェア製品を手掛けるベンチャーはテイクオフできない。
だからまずはそんなマーケットセグメントを追い求めて全力投球すべきである。
光があるところに影は必ずある。光と影はお互いに分けることのできない相矛盾する概念である。光が強ければ強いほど、それに比例して影も大きくなるものである。
ニッチなもので将来性のあるものは見出すには、世間の脚光を浴びる中でも、意外にも注目されていない影の部分を見るべきなのだと思う。
携帯電話が、ゲーム機になったり、ナビゲーターになったり、テレビになったり、ブラウザになったり、財布になったり …。
人々の関心は次々と起こる携帯電話での新しい出来事に釘づけになる。
でも、普通の人が全く興味を抱かないことは携帯電話の何か?という新しいビジネスの種を発掘するのがベンチャーの醍醐味なのだ。
携帯電話のアプリのサイズなんてほとんどの人は知らないけれど、携帯電話のアプリのサイズには容量制限がある。
如何なる物事においても制限を越えた世界に「新しい驚き」があって、それが人々の「感動体験」を惹き起こす。
スポーツの世界で言えば、世界新記録が樹立される瞬間の目撃者になった時の感動に近い。
そんな「感動」を生じせしめるかどうかが僕達にとっての勝負なのだ。
携帯電話のサイズ制限という壁をクリアすることにより、携帯電話の Java アプリに新しい世界を創ろうとして、 SophiaCompress(Java) の研究開発に没頭してきた。
携帯電話の Java アプリに対する人々の関心や興味が大きければ大きいほど、影の世界である僕たちへの期待も自然と高まってくるだろう。
こんな風にして、ソフトウェア製品が確実にヒットするための、最初のビジョンを脳裏に鮮明に思い描いてビジネスを推進してきた。
創った製品が売れるという最初の関門を潜り抜けた向こうの世界の景色は晴れ晴れとしているように感じる。
世界唯一の機能性で売れるものが創れれば、その後は信頼性や性能そしてユーザビリティを高めて行けば良いだけなのだ。
SophiaCompress(Java) はそういったファーストトラックに乗った製品と言えるかもしれない。
いくら失敗するのがベンチャーだからと言っても、常勝し続けるイメージで研究開発したものは堅実に全てヒットさせるべきだと思う。
ベンチャーをやっている多くの人は、思い付きやアイデアを実現するだけに集中するあまり、確実な成功への意識がおろそかになり勝ちな気がする。
スピードは落ちるかもしれないけれど、100 戦 100 勝の戦略・戦術の構想にもっと多くの時間を割くべきではないだろうか。
然るべき時に、きっとその流線型の軌跡は加速度を増してゆくに違いない。